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2015年4月

南天の朱

寒波来てきらきら積もる結晶がきみとぼくとの傷をおおえり

凍て返る絆はどこにあるのだろう窓を開けばかわらぬ蒼穹が
ドラゴンが吉か凶かと危ぶめば鬼門に備え南天の朱よ
余寒ありストーブを焚き籠るぼく届け(届かない)ぼくのヒコーキ
凍てが融け怨み辛みも解けてゆく南の空へ飛べ、あなたへと
                         『富山県歌人』(第55号)

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江南の花

赤壁に風を呼び込め孫権よ周瑜と守れ大喬、小喬

革命の前夜のような静けさで駅舎に今日も槌音響く

晴れ渡り寒さはしんと厳しくてなにを待つのか薄い静けさ
裏側でなにかが起きているらしいパンの匂いがこのごろきつめだ
花びらが南の空から降ってきてスカイラインであの街へゆく
抑圧を誰かにされているような静かな雪の音のする夜
意地悪い寒さが街に降りてきてこのごろ猫の気配がしない
花びらがすこしこぼれるサッカーの優勝に湧く国立にいる
雪のない今年の冬に喜びの兆のように明けの明星
赤壁の決戦に火は降り注ぎ、大喬、小喬、江南の花
                 『響 連盟歌集第27集』

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